新規医療技術の開発に対する寄付の受け入れに関して

我が国の科学分野は年々開発に対する予算の配分が減るとともに国際的な競争力が低下しています。特に大学以外の医療機関では資金の獲得が困難であり、新規医療技術の開発、医師主導治験の立ち上げ、我が国から海外へ向けた発信など、限られた予算内で責務を全うできないというジレンマを我々も抱えています。

医療は日進月歩ですが現在研究段階にある治療が1年後、2年後にすぐに使えるようになるわけではありません。我が国は国民皆保険制度によってだれもが公平に非常にレベルの高い医療を安価に受けられる数少ない国ですが、例え効果が期待できる薬剤が存在しているとしても保険で認められていない治療法は保険診療では一切使用することができないというルールがあります。

我々の扱う肝胆膵がんはいずれも難治癌であり、転移性肝腫瘍高度集学的治療センターが治療対象とする患者さんも皆ステージIVですから標準治療として使用できる治療法や薬剤だけではまだまだ不十分であるという現実があります。我々のグループは年間約750件と本邦で最も多くの肝胆膵外科手術を手掛けており、その分多くの患者さんの希望をつなぐ義務があると考えています。

我々のグループからはこれまで手術術式、治療の考え方、手術材料の効果や安全性の検証をはじめ多くのエビデンスを世界に送り出してきました。しかし、より安全かつ効果の高い治療の開発、医療提供体制の整備、後進の育成には社会からのサポートが必要です。次世代の肝胆膵がん治療開発への理念にご賛同いただける方からの寄付を随時受け付けております。お問い合わせ欄よりお問い合わせください。