このように初診時に切除不能と判断されてもコンバージョン切除が可能となった症例では、非切除例と比較して有意に生存率が高いことが国際的なデータからも示されており(LiverMetSurvey; Adam R, et al. Oncologist 2012)、切除不能進行再発大腸癌に関しては、切除の可能性も念頭におきつつ化学療法を開始することが望ましいとされています。2014年4月-2015年9月に当科でコンバージョン切除を施行した25例の成績を、当院の過去10年間の大腸癌切除症例(n=3,303)のステージ別の生存曲線(ステージ1-4)と比較してみると、初診時に切除不能と判断されても化学療法によって切除に至った症例の5年生存率は50.2% (観察期間 6.2年)と良好であり、ステージ4全体の5年生存率35%と比較しても明らかによいことが分かります。